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個人再生と慰謝料について

 個人再生手続きの中で慰謝料をどう扱うかという案件がありました。
問題となるのは、既に発生しています慰謝料が再生債権に含むことができるかどうかです。
個人再生の手続きに加えることのできない債権(被免責債権)は民事再生法に定められています。
被免責債権には
①悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
②故意又は重大な過失により加えた生命、身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
③夫婦間の協力及び扶助の義務、婚姻費用の分担義務、子の監護に関する義務等
が挙げられます・・   
     
ちなみに養育費につきましては、被免責債権に含まれますので、検討の余地はありません。
慰謝料につきましては、その内容によって検討しなければなりません。
離婚の慰謝料は1)不法行為による損害賠償、2)財産分与、3)離婚後の生活扶助等 の意味合いがあるように思います。2)、3)に該当するのであるならば上記③に該当しますので、被免責債権となります。
1)についてですが、①に該当するかがポイントになっており、①の要件である【悪意で加えた】に含まれるのか含まれないのかが、判断の分岐点になっています。
明確な判決が出ていませんが【悪意】を単なる故意ではなく、【積極的な害意】がある場合とした判断もあるようです。
 当事務所としましては、(③に該当する場合は別として)余程の事情がない限り原則として①に該当せず、そのため再生債権として扱うようにしてます。(異議があるようでしたら、再生手続きの中で裁判所を通して判断してもらうことにしています。当然、依頼者にも申立て前にその可能性を説明させていただきます。)
 尚、手続開始後に生じた慰謝料は、再生手続きに影響はなく、随時弁済を要する取り扱いになります・・。
(AN)
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